東京マラソン2017、自分への挑戦となるサブ3.5(3時間半切り)での完走という目標を達成することができた。
3時間28分39秒。ペースは4分57秒/km、上出来だと思っている。
竹谷賢二さん、天方美和さん、島本尚子さんと誓った、未来への一歩と思ってスタートした。
スタートしてすぐに、トライアスロンの仲間に出会った。特にこの東京マラソンで勝負しようといったフェルディナンド山口さん、自分が尊敬する稲本健一さん、そして稲本さんと一緒に走ってペーサーをつとめたヤスさん。ご一緒させてもらってすぐに、オフィシャルの3.5ペーサーが前方に現れて、その後はひたすらペーサーについていく戦略となった。
沿道からの応援が本当に力になった。
「まなぶー!」という声をたくさんいただいた。
朝スイムの仲間、トライアスロンの仲間、練習をご一緒した方、友人、後輩、仕事関係の方など、本当に多くの方から声をかけていただいた。そして妻からも。
もう何十人いたかもわからないくらいの声に後押しされた。
これはあの時一緒に走ってくれたあの人との一歩、これは応援してくれて声をかけてくれたあの人との一歩、これはさっき沿道で声をかけれくれた人との一歩…そんな風に思って足を未来へと進めた。
30kmを、何もなく走り終えた。キツくなり始める。竹谷さんや美和さん、そして仲間達との皇居30kmを思い出し、苦しいけれど耐えようと思った。
35kmも、何もなかった。もっとキツくなる。けれど、皇居で10kmを2回走った仲間を思い出して力を振り絞る。フェル兄と走った調布飛行場の30km、駒沢で仲間と走った20km、いろんなシーンを思い出してはチカラに変えて耐えた。
それまで一緒に走ってくださった方々が、前へ行って! といってくれて、ここから一人、自分と向き合った。ここからがマラソンだと思った。
残り5kmの37kmで、オフィシャルの3.5ペーサーをゴールまでに抜こうと決めた。
残り4km、3km、じわじわと近づくが、そこから先でなかなか前にいけない。もう少しペースアップ…右のハムストリングが攣りそうな予感。
もしここで攣って止まったら、サブ3.5は危うい。
そういう思いが頭をよぎって、巡行ペースに切り替え、3.5ペーサーとの距離感を維持したのだった。
丸の内中通り。多くの観客がいる花道前のクライマックス。尚子さん、ゆり姉、友紀ちゃん、典ちゃんが最後の声援を送ってくれた。
苦悶の表情でハイタッチをして駆ける。
そうして左折する直前に、タイム表示が現れる。
3時間30分1秒、2秒、3秒…オフィシャルのペーサーの前には出られなかったから、グロスタイム(レースの先頭がスタートしてからのタイム)でのサブ3.5は逃した。
自分がスタートラインを切ってからのネットタイムはまだサブ3.5に対して余裕がある。
最後の花道、行幸通りを行く。
ああ、自分は公言した目標を達成したとその時思った。
ゴールラインを、じっくりと味わって踏む。
両手の人差指を立てて、ゴールラインの上でしばし止まった。
そのポーズは、昨年のアイアンマン・ケアンズでした時と同じもの。
今回のコースの途中で、去年ケアンズで亡くした友が応援してくれていたことを思いながら走っていたから、友にも自分のゴールを捧げた。
自分の足で目標を達成したけれど、
心の中には、これまでの練習、そして応援に関わってくださった皆さんがあふれんばかりにいてくれた。
僕は体を動かし、足をほんの一瞬先の未来へと進めただけで、その原動力は全て僕以外のみんなだった。
そうしてゴールで両手の人差指をあげたまま、天を仰いだらジワジワとこみ上げるものがあった。
それは目標を達成したという感覚。だが、達成感というようなものでなく、
感を省いた「達成」を強く意識した。
そう、感ではなく、達成そのものが身体に響いた。
そしてこれは何ものにも代え難いと強く思った。
自分だけではなし得ないし、皆さんの力だけでもなし得ない。
ともに成し遂げたからこその、達成がそこにあった。
みなさん、ありがとうございました。心から感謝いたします。
そして早速、次に行きます。